お知らせ

2012年1月の記事

芸工大企画展の日程変更について

青苧復活夢見隊:2012/01/25

2月6日(月)~10日(金)に予定していた東北芸術工科大学での青苧企画展は、週末をはさんでより多くの方に来ていただきたいとの理由から下記の通り日程を変更することとなりました。

当初の日程でご来場を考えてくださっていた方には急な変更で大変申し訳ありませんが、ご理解の程よろしくお願い致します。

みなさまのご来場を心からお待ちしております。

 

【期間】平成24年2月22日(水)~29日(水) 午前9時~午後4時(最終日は午後3時まで)

【場所】東北芸術工科大学 ガレリア・ノルド

【入場】無料

四次元殺法

青苧復活夢見隊:2012/01/23

料理に添える葉っぱや花などの「つまもの」を売る奮闘を描いた『そうだ、葉っぱを売ろう!』(横石知二著 ソフトバンククリエイティブ)を読みました。

つまものは妻物と書き、著者の横石さんが徳島県上勝町農協に営農指導員として就職してからの葉っぱビジネスの紆余曲折を記しています。

葉っぱを売ることを思い付いてから、それがどんどん上り調子になっていく様子は、それより前に上勝町の主要産物であるみかんが寒害によって大打撃を受けていたことと相まって、 「おお、いけいけ~!」という気持ちにさせられます。

アイデアを思い付いて馬車馬の如く働いた横石さんと、様々な種類の葉っぱを揃えて売ることに意気軒昂な村のおばあちゃんたち、それに豊かな恵みをもたらしてくれる上勝町の自然の三者が見事に融合しての事業だったと思いますが、有名になったことで国内外から様々な視察が入るようになった中にエジプトからの訪問団もあったと書かれてありました。

 

私もエジプトに二年半住んでいたのでほうっと思ったのですが、エジプトには日本のような緑豊かな山はありません。

滞在中、料理につまもののようなものを添える場面も見たことがなかったので何を見てどう生かすのだろうと思ったのですが、翻って日本を考えてみると、葉っぱがビジネスとして成り立つ社会の爛熟さを改めて凄いと思いました。

上勝町の人たちも、横石さんから葉っぱを売ろうと言われた時、そんなものが売れるわけがないと答えたそうですが、料亭などでつまものを扱う文化があったからこそ葉っぱビジネスも成り立ったわけです。

そしてそういう文化があるということは国民全体がそういう美意識、芸術意識を共有しているからに他なりません。

横石さんの葉っぱを売るという発想、行為はもちろん凄いのですが、僕はそれにも増して何にでも美意識を感じる日本社会の繊細さ、日本人の心の豊かさに感嘆しました。

 

ちなみにエジプトの国家としての主要収入源は観光、石油、スエズ運河の通行料、出稼ぎ者の送金の四つなのですが、自分達で起こした産業というのはない。外から勝手に入ってくる、あるいはたまたま資源に恵まれたというものばかりです。

そのことをエジプト人はアラーのおかげだと感謝しているわけですが、そのことによって逆に産業が育たないという環境になっています。

エジプトの子供に「僕たちはちゃんとした国作りをする能力がない、日本人が来てやってくれ」と言われたことがあり、その時はさすがにびっくりしましたが、よくよく考えてみるとそのような国は世界中にいくらでもあってエジプトは別の意味ではやはり恵まれた国なのでしょう。

日本とエジプトの違いに限らず、ざっと世界を見渡してみても葉っぱが市場に流通している国はおそらくないでしょう。

そしてそんな日本のことを理解するのはやはり外国人にとっては相当難しいのだなあと思います。

そういうことはなかなかすぐに見えてくるものではないから、日本の力を日本人も外国人もちゃんと理解できないかもしれませんが、僕はこの違いは果たして一体何だろうと思わずにはいられません。

 

青苧も葉っぱのようにお金に化ければいいのですが、なかなか今のところ妙案は出てきません。

二次元のことを理解するには三次元に立たないと分からないように、僕自身は三次元を飛び出して四次元に行く必要がありそうです。

ご来場有難うございました。

青苧復活夢見隊:2012/01/15

三日間に渡った企画展を今日無事に終えることが出来ました。

連日の悪天候にもかかわらず、三日間で町内外から計300名もの方々にご来場いただきました。

足元の悪い中本当に有難うございました。

 

昔語りあり、コンサートあり、囲炉裏を囲んでの喫茶コーナーあり、体験教室ありと盛りだくさんの内容でした。

実際に展示物や商品に見たり触れたりすることで、身近なものとして青苧を感じていただけたらうれしいです。

 

御戸帳に見られるように、昔は生活に密接な関係を持っていたものを、時を越えて現在の取り組みと一緒に紹介できたことは、私たちにとっても大変意義深く、勉強になるものでした。

時代は変わって青苧に求められること、出来ることも様変わりすると思いますが、今の時代にマッチしたものをみんなで生み出して行きたいと考えています。

 

来月は東北芸術工科大学で企画展を開催しますので、今回来られなかった方や、お近くの方はぜひぜひご来場ください。