お知らせ

天高く心肥ゆる秋

青苧復活夢見隊:2013/10/14

雲一つない秋晴れの下、来年の焼畑に使うわら集めを行いました。

脱穀機から次々と出てくるわら束を20束ほどまとめて縛ります。

わらの粉塵がもうもうと舞って、目やのどがイライラする中でひたすらまるっていきました。

機械の傍でごうごうとした音を聞きながら自分の世界に入っていく中で、私はふとおしんを思い起こしました。

 

先日、映画「おしん」を観に行きました。

劇場でも静かに涙を流して心洗われる思いがしたのですが、家に帰ってから30年前のテレビドラマのおしんも観たくなって、毎日のように動画で観ています。

一話、二話のつもりが一時間、二時間、三時間になって、日をまたぐことも少なくありません。

幼少期などは本当に涙、涙の連続です。

おしんを観ながらつい100年ほど前まではそんな時代が本当にあったんだなあということと、一話も見逃せない脚本を書いた橋田壽賀子に改めて驚嘆しています。

そしてやっぱりあれだけの苦難に遭っても負けずに生き抜いたおしんに学ばされることが数多くあります。

学ぶというか、自分自身が感化される感じでしょうか。

心の部分で負けちゃいけない、どんなにつらくても頑張ることの大事さを叩き込まれたような気がします。

今日のわら集めだってそんなにきつい作業ではないものの、ふと疲れてきたなあと思った時、おしんを思い出すといくらでも頑張れるような気がしました。

 

今の時代は口減らしに奉公に出されることもないし、冬に冷たい川で洗濯をすることもない。

恵まれています。

でも、その恵まれていることに気付いて感謝しないと、先人にも申し訳ないし、自分も人生を思いっきり生きられない。

そんな気がしました。

 

山形に来て農業をしていると、物語の舞台となっている場所も馴染みのある所だったり、農家の実情などもよく分かって、一層感情移入してしまうのかもしれません。

青い空の下、そんなことを思い出しながら体を動かしていると、自分は豊かだなあ、いや、豊かさを与えてもらっているのだなあと思います。

 

マシン、白日の下に

青苧復活夢見隊:2013/07/21

じぇじぇじぇ!(あまちゃん)

か、

ギョギョギョ!(さかなクン)

か、

ジャジャジャジャーン!(ハクション大魔王)

かよく分かりませんが、苧引きマシンが遂にそのベールを脱ぎました。

脱がせてくれたのはもちろん酒井美智代さん。

思えば今年1月の酒井さん著『山に生きる』での出会い以来、ことあるごとに脳裏に浮かんでは消え浮かんでは消えしてきたマシン。

半ば妄想の産物となりつつありました。

刈り取りも始まったことだし、いよいよ満を持して福島県昭和村の酒井さんを訪問です。

 

山形県が全国ニュースとなった豪雨により、雨にたたられる昭和村行きの悲劇が今回も?と案じた前日をよそに、出発直前に確認したところでは、道中の通行止めや土砂崩れ等の心配はなさそうでした。

振り返ってみれば、昭和村へ行くときは半分の確率で大豪雨に見舞われているのですから、疑心暗鬼に陥るのも人の子として仕方がないことではあります。

 

今回はプリウスでの旅ということで、運転の負担も少なく快適です。

酒井さんとの縁を繋いで下さった松島さんと昭和村で合流後、一緒に酒井さんのお宅を訪ねました。

 

丁度玄関で作業中でしたので、お仕事を拝見しながらお話を伺いましたが、マシンよりも先に我々が目を奪われたのは酒井さんの技の見事さ。

早く、的確で、美しいです。

酒井さんにとっては普通のことでもセミプロとも言えない我々にとっては、皮はぎのやり方一つから勉強になりました。

何より青苧自体がみなまっすぐで揃っており、栽培からして違うのだなと思わされました。

 

マシンは想像していた形とはやや違いました。

私はカンナのような一本歯をイメージしていましたが、マシンは苧引き具を取り付けた歯が10本ほど環状に並んでおり、それらが次々と回転して引いていきます。

元々は大麻用の機械ということで、苧引き具を当てる角度からして違うようです。

手で引く場合は苧引き具の当たる音がしないくらいに寝かせて引くものですが、マシンの方はカツカツカツ…!と間断なく襲いかかる歯の音が勇ましく、いかにも激しいです。

私も試しに引かせてもらいましたが、マシンのあまりの勢いに押されてしまったようでした。

これも熟練が必要なのでしょうが、所々皮が残ってしまい、手で引く場合に比べるとどうしても質は落ちるようです。

仲買人も機械引きのものは買っていかないとのことでした。

上級の糸を必要としない場合には多くの量をこなせるようですが、これを実用とするには現段階では少し難しいかもしれません。

ただ、マシンの構造自体は簡単なので、青苧用に改良しようと思えば出来なくはないようです。

イメージとしてはやはりカンナが近いように思います。

 

冬から恋焦がれていたマシンとの出会いは興奮と少しの失望、今後の熟考を残して終わりましたが、酒井さんとの出会いもそれに劣らず刺激的でした。

まっすぐの人にはまっすぐな想いが秘められている。

酒井さんの一挙一動からそんな風に感じました。

 

またいつか訪問させて下さいね。

 

 

つなぐつなげるつながる

青苧復活夢見隊:2013/07/19

別に本名を隠してるわけではないんですが、5月に続いてRちゃんが筆をふるってくれました。

今回は仙台出張編。

 

7月13日に仙台市内でジョイセフ主催のMOM meets MOM in TOHOKUが開催されました( ´ ▽ ` )

会場は仙台市のJALシティホテル。
小雨の降る中、子育て中のお母さんたちがたくさんお集まりでした*

今回、ワークショップで青苧の原麻を使ってくださったジョイセフさんは、45年前に設立されたNGO。
戦後、日本はベビーブームを迎えましたが、中絶率は高く緊急時の対策も十分とは言えない状況。
しかし、助産師の育成など地道な母子保健の発達によって1955年には赤ん坊の死亡率が大幅にダウン。
そんな日本の母子保健を途上国の支援に繋げたい、という想いから発足したのがジョイセフです。

ジョイセフは世界の様々な国のお母さんたちを支援してきましたが、2011年3月11日の東日本大震災の折、海外のお母さんたちから日本のお母さんたちを支援したいという声に応え、2011年3月14日、海外と日本を繋ぐ被災地支援を決めました。

今回のワークショップは東日本大震災のときに支援してくださったスマトラ沖のアチェのお母さんたちへのメッセージカード作り。
柑橘系のヴァーベナの香りをつけて出来上がりです。
一人、二枚のメッセージカードを作成!

一枚は東日本大震災にメッセージをくれたインドネシア・アチェのお母さんたちへ。
もう一枚は交流会に参加したお母さんたちで交換しました(^^)
青苧はそのメッセージカードに使用されました*

to mothers みちのくのみなさんやジョイセフの方々との縁を繋いでくれた青苧。
お母さんたちと赤ちゃんの命、日本と海外のお母さんたちの絆を繋ぐ青苧。

さて、次は何を繋げようかな?