70年
青苧復活夢見隊:2015/06/26
戦後70年です。
私自身は戦争も経験していないし、戦後30年経って生まれたので、戦後もわかりません。
70年といえば、随分長い時間です。
場合によってはある種の断絶があってもおかしくない年数でしょう。
事実、私も本や映画で70年前のことを知識として知ってはいても、体験していないということは何ともしがたく、想像することしか出来ません。
身近な所では、じいちゃんばあちゃんの話す山形弁や昔使っていた言葉が、孫の世代では理解されないということもあります。
これなどは断絶の良い例でしょう(悪い例でしょうか)。
でも、この70年が本当に断絶しているのかといえばどうでしょうか。
例えば歌謡曲。
戦後間もない当時、美空ひばりを聴いていた人が、70年後に出て来るきゃりーぱみゅぱみゅを想像するのは非常に難しいと思います。
メロディや楽器、演奏からファッション、踊りまでまるで違うのですから、当時の人に「これが70年後の音楽ですよ」と見せたら果たしてどんな反応をするでしょうか。
ですが、きゃりーの曲を注意深く聴いていると、70年前の人が理解できないような歌詞はほとんどない。
造語や新語は別にして、意味が取れないということはないような気がします。
70年前の人が聴いても分かる。
そうすると、きゃりーというものもどこかから一足飛びに出てきたのではなく、70年の有象無象の集合として登場してきたのだなあということに思い至ります。
美空ひばりだってデビュー直後は、詩人で作詞家のサトウハチローに「近頃、大人の真似をするゲテモノの少女歌手がいるようだ」と批判されているほどです。
そう考えるといつの時代でも、品や形を変えながら、似たようなことを繰り返しているのです。
では70年後はどうなるか。
現在の研究によると、遺伝子に働きかけることによって寿命を伸ばすことは可能と見られていて、将来的には180~200歳というのも不思議ではなくなるそうです。
とすると、今最長寿の方が70年後も最長寿ということもあり得ます。
70年間最高齢であり続けるというのは人類史上例のないことですね。
4人組バンド「世界の終り」の『スノーマジックファンタジー』という曲の中に、「君は妖精だからやっぱり年齢は200歳とかなのかい?」というフレーズがありますが、その見立てに従うと、未来では人はみな人間ながらにして妖精という世界に入っていくことになります。
現在でも、今日は寿司、明日はステーキ、明後日はフカヒレと、昔の王侯貴族以上の生活をしている庶民がいずれは妖精になるわけです。
その先にはもう天使か神しかいません。
庶民、王侯貴族、妖精とステップを踏んでいるわけですから、遠い将来には天使と神になる日もやってくるのかも知れません。
そうした人間世界の移り変わりとは打って変わって、植物の世界は千古不易の如くです。
道端の草が歌やファッションを創造するわけでもないし、70年前と今と70年後で変わるかといえば変わりません。
1000年前も2000年前も同じだったでしょう。
さて、農作業にかまけてしばらくブログも更新できずにいましたが、5月17日に焼畑をした時と今とでは、青苧畑も随分変わりました。
文字通り焼野原からスタートした青苧ですが、下の写真を見比べると一目瞭然、無から有が出現したかの感があります。
これを日本の70年と重ね合わせてみると、示唆に富んでいると言えなくもありません。
さてさて、70年後も同じく人間は人間で、青苧は青苧でしょうか。
遺伝子への働きかけによって想像も出来ない世界が広がっているかも知れません。
今39歳の私もその時生きている可能性は十分にあります。
ある見物
青苧復活夢見隊:2015/05/08
このところの好天、高温で虫もいつもより早めに飛び出しています。
少し山に近い畑で何日も仕事をしていると、あれよあれよと虫に喰われてしまいます。
休憩でしばらく座っていたり、シャツを着替えようと上半身裸になったりすれば、わずかな時間で彼らの餌食になっています。
蚊やブヨでもない、羽音を立てて向かってくるでもないその小さな奴らは、無数のヒットアンドアウェーを私の身体に残しています。
見れば首回りや腕や脚はもちろんのこと、胸、腹、背中とまさに全身が彼らの標的となりました。
掻けば痒くなるのだから掻くまいとは思うものの、一度掻き始めたらもう後戻りできません。
米粒大のものから、ゴマより小さな刺し跡まで、あちらを掻いてはこちらを掻いてと、とにかく手の休まる暇がありません。
モグラ叩きでもこれほど上手く、あちこちには顔を出せないのではないでしょうか。
右手で左腕を掻きながら左手で脚を掻き、次に首を掻いたと思ったら今度は背中と、千手観音とまではいかずとも、『キン肉マン』のアシュラマンばりに腕の6本や8本は欲しいところです。
さすがに足の爪までは使いませんでしたが、もう少しでたかだか虫刺されに三所攻めを繰り出すところでした。
手で掻いているくらいだとまだ二箇所程度ですが、被害が密集している所へ熱めのシャワーを当てようものなら、それはもうイタキモならぬカユキモの極致です。
炭酸がシュワーッと泡立ったかのような、言い知れぬカユキモ感が患部だけでなく、脳にまで到達します。
これははっきり言って新しい快感です。
しかし、手を離すとまたただの痒みが湧き上がってくる。
また、古い刺し跡などは鈍く変色して今しばらくその痕跡を残しており、それを見つめるとせつなさも募ります。
帰ってから風呂場で私がこれほど悶え苦しんでいるとは、彼らは露ほども思わないでしょう。
しかし、体積でいえば蟻と象と言っていいほどの差がある彼らにここまでしてやられるとは無念の一言。
やられた方はいつまでも覚えているが、やった方はさっさと忘れてしまうという人間世界の法則が、私が敗者となって虫との間で成立してしまった事実は至極残念です。
ところで、地球外の生命体の方は、三次元世界の存在ではないために肉体がないのだそうです。
というよりも、地球以外の宇宙では、肉体を持って存在するというこの地球の方がよほど特殊らしく、様々な星から色々な宇宙人が好奇心を持って集まってきているそうです。
彼らは三次元ではないのだから、時間も空間もなく、千里の道も一瞬で移動できます(そもそも千里の道がないのかも知れませんが)。
先ごろ、北陸新幹線が開業して東京~金沢間が最速2時間28分になったというニュースも彼らにとっては一体なんのこっちゃということかも知れません。
しかし、そんな彼らも肉体がないのだから、当然痒みも知らないでしょう。
痒いということを伝えるにはどんな言葉を駆使したらいいのでしょうか。
痒みは掻きすぎると痛く、ピンポイントで掻けると気持ちよく、ピンポイントで掻けないともどかしく、快でもあり不快でもあって、考えてみるとなかなかに奥深い感覚です。
ただ、あれこれ考えてみても上手く分かってもらえそうな妙案はなく、すると考えるのも面倒になり、しまいにはそんなことも知らないのかと言いたくもなります。
千里の道をテレポーテーション出来る彼らも、痒いを知らないとなればそんなに畏怖することもない、結構対等に考えたっていいのかも知れません。
そんな三次元の大地へ、2013年4月以来、二年ぶりの根分けを行いました。
場所は前回移植した畑の隣りで、二年前に根付いた青苧たちはこの時期10cmほどの高さまで背を伸ばしています。
掘ってきた根っこは鉛筆くらいに細いもの、芋みたいな格好のもの、宇宙ステーションのようなごついものまで様々で、これを15cmから20cmくらいの間隔で置いていきました。
作業は、溝を切る人、そこに根っこを並べていく人、土をかぶせる人、水を運ぶ人、水をかける人と、それぞれが自分の役割を持って極めてスムーズに進んでいきました。
私はあれする、あなたはこれしてと言わなくても整然とこうしたことが行われていくと仕事も楽で、これは農耕民族の資質と言っていいものでしょう。
根っこは縦、横、高さの世界に三次元的手法で植えられたのですから、当然三次元的生長を見せるでしょう。
地球外の皆さんも参加はできないでしょうが、興味があればそこらで高みの見物でもしていて下さい。
火事
青苧復活夢見隊:2015/04/30
このところの好天、高温で消防車のサイレンがよく聞こえてきます。
夢見隊としても焼畑を5月17日と告知してある中、焼畑用の藁を保管してある小屋が火事に見舞われてしまいました。
すぐ傍で焚き火したものが、燃え移ってきたようです。
藁の保管用として、軒下をお借りしている小屋なのですが、藁が大量に積んであるだけにあっという間に燃え広がってしまいました。
幸い、けが人等はなく、母屋や神社も無事でしたが、なんとも傷ましい限りです。
燃えた小屋と青苧畑が近いことから、さすがに17日の焼畑は一昨年根分けをした別の畑で実施することにしました。
藁は新たに確保できそうですが、これまでの焼畑に比べるとかなり小規模になりそうです。
私も春先は果樹の剪定枝を畑で燃やすので、一般の人に比べると火には多少慣れているつもりではいますが、それでも一度延焼しかかって、慌てて水をかけたことがありました。
一旦手を離れてしまうと、あれよあれよと移って行ってしまうので、以来、雨の降った後とか、小雨の時などに実施することにして、用心しています。
小屋をお借りしている方には大変お気の毒で、私たちも残念でしたが、こうなったからには今年は今までしたことのない方法などにもチャレンジして、栽培や考えの幅を広げていきたいと思います。
- 焼畑2025
- 卒業研究報告会
- ひなまつりと青苧研究報告会のお知らせ
- だんごさし
- 完売のおしらせ
- 小正月行事開催のお知らせ
- テレビ放映のおしらせ
- さくら と 御膳 と 芋煮会 ③
- さくら と 御膳 と 芋煮会 ②
- さくら と 御膳 と 芋煮会 ①
- 2025年5月 (1)
- 2025年4月 (1)
- 2025年3月 (1)
- 2025年1月 (2)
- 2024年12月 (1)
- 2024年11月 (4)
- 2024年10月 (1)
- 2024年7月 (1)
- 2024年6月 (1)
- 2024年5月 (1)
- 2024年4月 (1)
- 2024年3月 (1)
- 2024年1月 (3)
- 2023年12月 (3)
- 2021年5月 (1)
- 2021年2月 (1)
- 2021年1月 (1)
- 2020年6月 (4)
- 2019年5月 (1)
- 2019年1月 (2)
- 2018年11月 (3)
- 2018年7月 (1)
- 2018年6月 (1)
- 2018年5月 (1)
- 2018年2月 (2)
- 2018年1月 (4)
- 2017年7月 (1)
- 2017年6月 (1)
- 2017年5月 (1)
- 2015年12月 (2)
- 2015年11月 (1)
- 2015年10月 (1)
- 2015年6月 (1)
- 2015年5月 (1)
- 2015年4月 (2)
- 2015年3月 (2)
- 2015年2月 (3)
- 2015年1月 (1)
- 2014年12月 (1)
- 2014年10月 (2)
- 2014年9月 (1)
- 2014年8月 (1)
- 2014年5月 (1)
- 2014年4月 (1)
- 2014年2月 (1)
- 2014年1月 (1)
- 2013年12月 (1)
- 2013年11月 (2)
- 2013年10月 (2)
- 2013年7月 (3)
- 2013年6月 (3)
- 2013年5月 (5)
- 2013年4月 (2)
- 2013年3月 (1)
- 2013年2月 (1)
- 2013年1月 (1)
- 2012年12月 (1)
- 2012年11月 (1)
- 2012年10月 (1)
- 2012年9月 (1)
- 2012年8月 (2)
- 2012年7月 (1)
- 2012年6月 (1)
- 2012年5月 (2)
- 2012年4月 (1)
- 2012年3月 (1)
- 2012年2月 (2)
- 2012年1月 (4)
- 2011年12月 (3)
- 2011年11月 (1)
- 2011年10月 (4)
- 2011年9月 (3)
- 2011年8月 (2)
- 2011年7月 (4)