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人手不足を考える

青苧復活夢見隊:2014/10/29

今日は11月下旬の寒さだそうです。
急に寒くなってストーブを引っ張り出したいと思うものの、一度引っ張り出すとそれに慣れちゃうという思いから、まだ厚着で我慢しています。

 

さて、今年はなかなか作業に加われませんでした。
農業を始めて三年目、本業が忙しくなってきたり、地域や組織の活動とかち合ったりして、数年前のように頻繁に顔を出せる状況ではなくなってきました。
我が夢見隊も高齢者がメンバーの大半で、一応若い人に分類される私も出られないとなると、当然労働力不足、人手不足という問題に直面します。

 

東京の人がなかなか東京タワーに行かないのと同じように(?)、農村では農業に従事する人が減っています。
すぐ側にあるものに対して、人はその価値に鈍感になるようです。

 

ある調査によると、都会で働く人の三割は幸福感を感じないそうです。
私もかつて都会に住み、今田舎で農業をしていますが、その両方を知っている身からすると、さきほどの調査結果にも「ああ~、そうかもね~」と合点がいきます。
そして農業をしている今は、東京で働いていた頃に比べると、格段に毎日が充実しています。
まず、朝、畑に行くことに対して、「仕事に行かなきゃ」という意識はありません。
当然遊びではないものの、「仕事」というある種の脅迫観念みたいなものは一切ありません。
仕事と仕事でない境も曖昧だし、果たして自分は仕事をしているのかと考えると、そのようでもあるしそうでない気もします。
畢竟、仕事を嫌なものと思っていないのです。
だから、少々休みがなかろうが楽しく畑に通っています。

 

一般的にそういうものを天職と言えるのかもしれませんが、よっぽど農作業が嫌いな人でない限り、農業は楽しい仕事だと思います。
都会に疲れた人なら尚更です。
先立つものがなければ、楽しい仕事も楽しくなくなる可能性もありますが、農業は一人親方ですから工夫次第で色々なことが出来るでしょう。

東京タワーに上らないことで失うものはあまりないでしょうが、農村を顧みないのは個人でも社会全体で見ても失うものはかなり大きい。
逆に、してみると得るものは物凄く大きいと思います。
地元の人がやらないのであれば、都会の人にとってはこれはチャンス。
農家の息子がみんな家を継ぐのであれば、よその人が入り込む余地はなかなかないのですから。

 

翻って夢見隊の人手不足を考えると、これも特効薬というものはないのですが、都会やら田舎やら年寄りやら若者やらという括りではなくて、やっぱり夢見隊が魅力を持つということが大事なんだと思います。
魅力的な人には人が集まる、魅力的な会社には人が集まる、魅力的とは何かと言うと、楽しいとかお金が儲かるとか自分の身になるとか、何かしらのプラスがあるということです。
そうすれば人は集まる。

 

容姿端麗であったり金があれば人は集まるのでしょうが、そうでないとすると一ひねりが必要です。
考えるということは創造。
犬やカラスには出来ない芸当ですので、この際よっくひねってみたいものです。

「これまでに経験したことのない」バカ

青苧復活夢見隊:2014/09/30

暑い夏が過ぎたと思ったら、あっという間に稲刈りが進行しています。
農作業をしていると、何かが終わったと思ったら息つく間もなく次の作業が待っていて、改めて季節に追われているなあと実感します。
この分だと紅葉もあっという間に来て、まもなく雪を迎えるのでしょう。

 

ここ何年か、異常気象による被害、災害が急激に増えています。
一昨年からは「これまでに経験したことのないような大雨」などという表現で、その程度や規模を伝えています。
これを単に、温暖化による異常気象のせいなどと捉えてしまうのは、随分と能天気な話です。
これまでに経験したことのないような自然現象が、こうも次々と大規模化してやってくるものでしょうか。
何百年に一度とか千年に一度といった頻度のものが毎年やってくるというのは、確率的に見てもまずありえないことだと思います。

 

自然に発生したにしては、随分と首をひねりたくなるような事柄が頻発しているのですから、これはまず自然に発生したものではないと考えるのが妥当ではないでしょうか。
天気予報がしょっちゅう外れるのも、これまでのようなデータが通用しないからで、つまり、気象に人為的な力が操作されているからと考えれば納得できるのではないでしょうか。

 

元々日本には美しい季節の移り変わりがあって、それがニュース番組の中でも他国では例を見ないほど敏感に紹介されますが、不自然な自然現象についても、どのくらいの雨が降ったとか被害はどのくらいかなど事細かに放送されるのですから、現象を操作している側からすると高みの見物もいいところ、笑いが止まらないでしょう。
一般の人は気象がおかしいとは思いつつも、あくまで自然現象としてしか見ていないので、これほど好都合な隠れ蓑もありません。

 

異常気象は農業に従事する人にとっても死活問題です。
一年の苦労が一日でパアになってしまう。
それも「自然現象だからしょうがない」で片付けてしまっては、泣き寝入りですらない、知らぬ間に騙され続けている大馬鹿者です。

 

日本は何よりも和を尊ぶ国として、建国の精神にも八紘為宇(八紘一宇)、武力を使わないで平和裡に世界をひとつの屋根のもとに統治せんと宣言されています。
その魂は荒魂、和魂、幸魂、奇魂からなる一霊四魂という構造ですが、それぞれは荒魂:武人、和魂:商工人、幸魂:農耕人、奇魂:漁人を表しているのだそうです。
そうした平和的な民族からすると、せっかくの力を破壊と暴力支配に費やす連中の愚かしさはそれこそ愚の骨頂です。

 

騙す側が馬鹿なのか、騙される側が馬鹿なのか、どっちも馬鹿なのかと思っていたら、ハナ肇とクレイジーキャッツが歌っていました。
「馬鹿は死んでも直らない」
<歌詞を載せておきましょう。

 

バカにバカたしゃ バカばかり
バカからバカ引きゃ うすらバカ
掛けたり割ったりしてみても
アホウと間抜けがチョイと顔を出す
とかくこの世はバカばかり
中途半端はおよしなさい
バカは死んでも直らない

 

自慢じゃないが 俺もバカ
遠慮するなよ 君もバカ
利口ぶっても いばっても
とどのつまりはチョイとボロを出す
とかくこの世はバカばかり
へたな考えおよしなさい
バカは死んでも直らない

 

バカは気楽というけれど
バカになるのもらくじゃない
バカとバカとでガッチリと
広い世間をチョイと渡ろうよ
とかくこの世はバカばかり
天下御免のバカになれ
バカは死んでも直らない

 

バカとバカとでガッチリと渡っていくしかないんですね。

草の上から

青苧復活夢見隊:2014/08/08

「猛暑」が毎日のように聞こえてくる季節になりました。
と同時にこの時期は草の伸びも猛烈です。
刈っても抜いてもまたすぐ出てくる。
野菜農家さんなどは、一通り草取りをしてスタート地点に戻ってみると、またすぐに草に追われるといいます。

 

とにかくうらめしい、草なんてなければいいのにと思いたくもなりますが、もし草が生えなかなったら土も豊かになりませんし、いい作物も取れません。
草が全く生えなくなってしまって、人工的にこれをやろうと思ったら、とんでもないお金と手間暇がかかります。
そう思うと、ただで勝手に生えてくる草はとても有難い存在です。

 

今年の青苧の刈り取りも今週で終わりましたが、青苧も考えてみると毎年毎年勝手に生えてきます。
多年草とは言え寿命がありますから、年月が経つとだんだん最初の頃のようには行かないのかも知れませんが、とにかくその旺盛な生命力には感服します。

 

大体、植物というものは上に上に成長します。
私は昼休みには大抵畑で横になって休んでいるので、草がとても身近です。
そのまま寝入って夢を見ている時もあります。

 

最近は「夢をチカラに」とか「夢をカタチに」といった言い回しもよく耳にもしますが、「将来の希望」といった意味で使われるようになったのは「Dream」を訳した明治以降だそうです。
それ以前は、どちらかというと「儚いもの」という意味で使われていたのではないでしょうか。
そもそも夢の語源は、「夕暮れに草むらで何か見ようとするが何も見えない」というものです。
転じて、目をふさいで見る夢の意になりました。
夢は目で見るものであって、かつ儚いものということがよく分かります。

 

対して、古来から使われてきたものに志があります。
「志」という字は、草木が伸びてゆく姿をかたどった象形文字の「之」の古形と、心臓を示す象形文字の「心」を組み合わせたものだそうです。
また、「之」は足の形が変形したもので「行く」という意味があります。
つまり、心が目標を目指して進み行くことを表しています。

 

心と足が組み合わされていることで、より具体的な行動につながることが連想出来ます。
私自身の印象で言うと、夢は個人的なもの、志は自分がその力を発揮することで社会の役に立つ、より公共心に富んだものという感じがします。
また、夢が対象を自分以外のものから見つけてくるのに対して、志は自分自身の中から探し当てる、あるいは湧き立ってくるものといった感じです。

 

どちらの字にも草が関わっているのは面白いところです。
日本人は世界に類を見ないほど和を尊ぶ、公共心が高い人種ということを考え合わせてみても、「夢」以前はそれぞれが分を守って公のためを一番に暮らしてきたのではないでしょうか。

 

西洋からやってきた「夢」が志を向こうに追いやった感のある現代。
これからは夢を追い求めるよりも、原点に帰って静かに志を見出す方向にシフトしていくのも一考です。

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